話終えた頃には、すでに辺りは暗くなっていた。



俺と沖田は校舎の方へと歩いていた。



あんな過去のカッコ悪い恋愛話を、生徒にするなんて…やっぱり教師としてあるまじき行為だよな。



それに、何か隣りを歩く沖田の表情が…気のせいか少し、沈んでいるような…



「ごめんな!あんな話して。忘れてくれな?全部。」



俺は笑顔を作って、なるべくいつも通りに沖田にそう言った。


すると沖田は、おもむろに俯いていた顔をあげると…



「先生っ・・・……」


「すっかり暗くなっちまったな。仕方ない、送ってってやるからちょっと待ってろ。」



何か言いかけた沖田を遮って、俺は走って職員室へ荷物を取りに行った。


今、沖田に何か言われたら…


俺は確実に…泣いちまう。


カッコ悪いが…それくらい今の俺の心は、昔のようにもろくなってる。