“私は孝幸専属…”



痛いとこ突くよな…沖田は…。



俺の気持ちを知っててわざとそんな事を言って突き放されるより…



何も知らないで、そう無邪気に言ってる沖田。



その方がよっぽど…キツいな。。


いっそ好きだって言ってしまったほうが楽になれるのか?



俺は、そんな事を思いながらレジを済まして、店を出た。



「先生!」



呼ばれて振り返ると、沖田が店の入り口のベンチで座っていた。


え…何でだ?



「どうした沖田?」



沖田は俺の車の前まで走ってくると、買い物した袋から…



「はい、先生あげる。」



俺の手に乗せたのは、



「レモンウォーターのアイス?」


「新発売で、見つけたから私のひとつ分けてあげます!先生、レモンウォーター好きだったから。」


「へぇ、アイスか。…サンキュ。」


「いえ、じゃあ私はこれで!」


「あ、送ってってやろうか?」


「大丈夫です。すぐそこですから。」


「そっか。…じゃあな!」



車のなかで俺は、レモンウォーターのアイスを見つめながら、意味なくガッツポーズ。


てか、こういうのナシだろ。


また好きんなっちまうだろ…。。