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「はい、終わり~。後ろから、前にまわせ~。」
チャイムと同時に、俺のデカい声が教室に響く。
みんな気が抜けたような顔しやがって。
最前列の生徒の机をまわり、解答用紙を集めていた時、ふと、また沖田を見てしまった。
猫みたいに伸びをしていた。
ったく、あいつは何をしても…可愛いなぁ…もう。
「沢っちどうしたの~?何か元気なくない?」
最後に集めた席の女子が聞いてきた。
「元気モリモリだっつーの。まっ俺ももうオヤジだし?いたわれよ~お前ら。」
そう言って笑ってみせた。
すると、女子はオヤジにウケて周りの女子達と大笑いしていた。
それを見て、ちょっと元気が出た。
やっぱ、生徒の笑顔は最高だな。
俺は、早速弁当を広げる男子達のおかずを奪いながら、教室を後にした。
あ…この玉子焼き美味い。。