ふとソファーから起き上がって、教官室の窓から中庭をみた。



そこには、何組かの校内カップルがイチャついていた。



手を繋いでいる奴らもいれば、キスなんかしてる奴らもいる。



いつもなら、見て見ぬフリをする。


だって、どう恋愛しようが生徒の自由だから。


学生時代の恋って、何だかんだ言って…


人生のなかで、大きく心に残る。



だから、たくさん恋して、たくさん笑って、たくさん泣いて、別れや出逢いを経験して…これからに繋がる気持ちを見つけて欲しい。



これが俺のポリシーってやつ。



こんなだから、生徒に恋愛相談されるんだろうか?



そんな事を思いながら、夏の暑さに負けないくらい熱いカップル達を眺めていた。



すると、そのカップル達の視線がある一点を見つめていることに気がついた。



俺は不思議に思い、その視線の先をたどってみた。



それは、中庭にある一本の大きな桜の木の下…新しくなった木のベンチに座る、一組の男女。



俺は思わず、息をのんで窓に手を置いた。



そこには…


そこらのカップル達より一際、幸せそうな雰囲気を漂わせている…


沖田と、塚本がいた。



それも…塚本の筋肉質の腕は、沖田の華奢な肩へとまわされていた。