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「そういえばさ、なんで翔は恋愛しないの?
私たちの周りで恋愛しない人って珍しいよ?」
機嫌を戻したのか美咲は、子供のようにニコニコ笑ってる。
その笑顔を見てるとなんでか楽しい。
「笑わない?」
「話によるかな」
俺は人目を気にせず美咲と並んで歩いた。
美咲はすれ違う人を振り向かせるくらい綺麗。
俺はただの平均。
人にどう思われようが関係ない。
だって、それよりも大事なことがあるだろ?
「むかーし、むかし、あるところに翔という名前の男の子がいました。
その男の子はある綺麗な女の子にどんどん惹かれて行きます」
こうして俺は昔話を美咲にしてやった。
美咲の反応は思った通りそっけないものだった。
「ふ〜ん。それで恋愛する気ないんだ」
「バカみたいか?」
「うん」
「結構きついこと言うな。俺はそのバカみたいなことでずっと悩んできたのに」
「バカだよ。そんな言葉に惑わされてさ」
「本当だよな。それでずっと愛なんて生まれないなんっつって自分を守ってるくせに羨ましがってさ」
「それで私を置いてどっか行ったし」
「それはゴメン。自分の顔がコンプレックスだったから。
美咲と並んで歩けないと思ったから……」
「私は私よ?その悪女は悪女。
顔がいい女はみんな裏があるなんて思われたくないわ」
「……自分でそれ言っちゃう?」
自分で顔がいいとかよく平気で言えるよ。
「だって。私いい女でしょ?」
「確かに……」
顔もだけど、性格もいい女だと思うよ。


