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「好きなんだ?」

「おいおいおいおい。
何いきなり言ってんだ」





唐突な友人の言葉に、俺はコーヒー牛乳を吹き出しそうになる。




「いきなりじゃねーって。だって、会いたいんだろ?
でも、会って、友達っていう安定した関係が崩れるのが怖いから会いたくないんだろ?」



友人は気にせず焼きそばパンをかじり始めた。





「……別に怖くなんかないし」


「じゃあ、会えば?」


「会わないって最初に言ったし」


「でも、向うは会おうって言ってきたんだろ?
約束を忘れてるのか、それとも覚えてて敢えていってるのかはわからないけど、向うはお前のこと、会いたいと思うくらいに気になってるってことじゃないのか?」





だとしたら、会えばきっと幻滅するだろう。




「……やっぱり会えない」


「臆病者」


「なっ?!」





友人は真っ直ぐコチラを射抜くように見た。



「自分が傷つきたくない。だから会いたくない。
臆病者だろ??」




無機質な瞳。

本当に動物好きなのか疑いたくなるくらい冷たい眼差し。





「そんなんじゃ……」


「あのなぁプライドが高すぎんだよ。お前は。
“愛なんて存在しない?”
笑わせんなよ。

愛は存在するよ。お前がその気になれば、愛は生まれる。
いつも、愛とか恋とかバカらしく思ってるけどさ、本当はお前も求めてるんだろ?」




いつも愛なんてバカらしいと思ってた。



愛とかいう奴らはアホだと見下してた。



それは自分を守る壁だった?