「それでは私もお供します」

カボ太郎は腰にぶらさげた

きびだんごを犬にひとつあげました

犬が言いました

「えっ?これから命がけで戦うのに

これだけですか?

お金とかいただけないのですか?

ずうずうしい犬のことばに

カボ太郎はカチンときました

「なんてやつだ!金がないと

動けないようなやつを家来になんか

できない!人間にとって大事なのは

心だ!人間はハートなんだよ!」

犬が水をさすように言いました

「私は犬です」

カボ太郎は少々ムッとしましたが

反省し気を取り直して言いました

「このきびだんごにはおばあさんの

やさしい心が入っているんだ!

食べればその“物主義”の愚かさが

きっとわかるはずだ」

犬はカボ太郎の真剣さにうたれ

ついていくことにしました

またしばらく行くと

猿がやってきました

「カボ太郎さま、鬼退治に

行くのですね」

ものわかりのいい猿は

「日本一」の旗を見て言いました

「家来になるならこのきびだんごを

ひとつあげよう」

「ありがとうございます」

ここでひとつ大事なお知らせです!

犬と猿は昔から犬猿の中といい

気の合わないもの同士に

たとえられますね