告別式を終えたばかりの、自宅でのことである。

わずか18歳にして、自らの命を絶った娘。
その部屋は、生前とまったくかわった様子もない。


ベッドには、スエードの上下が無造作に畳んである。机の上には、携帯電話の充電コードがとぐろを巻いて、もう帰ることのない本体を待ち続けていた。


今にでも、ただいま~と声をあげ娘が帰ってくるような、そんな空間だった。