「要するに、それは三上くんの失敗だったね」


得意気に話すわたしに、しかし三上くんはいつもどおりの淡々とした口調で言った。


「今まではうまくいってた。…あんな下手な嘘を信じるヤツがでてくるまではな」


うぐ…


「信じたわけじゃないよ…ただ…」


「…お人よしが…」


え?


ぐいっと手を引かれたかと思うと、そのまま三上くんに抱きしめられる。


「佐藤を、なんとかしたかったんだろう?」


み、


耳に、


今、唇が当た…っ!?


「いや…その…し、試験のヤマを…教えてくれるっていうのも魅力的で…」


「……アホか…」


言葉とは裏腹に、かかる息は優しい。