お店を出ると、少し風が強くなっていて。
髪の毛がおかしな方向に流れてしまわないよう、必死に押さえていると啓介が振り返った。

「今からお祝いのプレゼントでも見にいこうか」

「いいね。そう言えば隣町に新しいお店ができたんだって」

さっきまでの腹の虫はすっかり治まってしまっているわたし。
なんだか、うまく丸め込まれているような・・・。


さっきお店の外から見えた、桜並木がきれい。
ぼーっと歩いてたら、右手があったかくなった。
横目でちらっと見てみると、啓介はまっすぐ向いたまま。


「その時が来たら、ちゃんと言うから」


思いがけず、真剣な声に。

「うん」

ちょっとだけ、涙が出そうになっちゃった。
啓介には、絶対内緒だけどね。



【終わり】