さすがに、一箱まるまる飲むと安心感が違う。六郎は深い眠りに落ちていった。すでにはじまっていた体の異変に気がつく事もなく、それはとても深い深い眠りだった。
寝返りをうった。パリパリと渇いた音がする。六郎からだ。背中を掻いても、やはり同じように音がする。何かする度にする音。それが徐々に大きくなり、そして聞こえなくなった。
はじめ気になっていた妻も、音が聞こえなくなるにつれ、同じように眠りに落ちていった。