声の主は母親だった。うずくまり泣いているように見える。
「お、お母さん?」
理緒の声を聞くと、母親は起き上がり、理緒にしがみついた。
「り、理緒ぉ。」
大粒の涙が止まらない。母親がこんなに泣いているのは、父親が一方的に出ていってしまった時以来だ。
「どうしたの?お母さん?」
屋外のせいではじめ気がつかなかったが、さっき玄関を開けた時と同じ臭いがしている。
「これ、これ・・・。」
一枚の汚い紙を渡された。そこには、こう書いてあった。