家に着いてから、僕はしばらくぼーっとしていた。

もっと風子ちゃんとお話しすれば良かったなぁ。

おもちゃ箱の山の一番上に風車がおいてある。

僕のお父さんは風車を作れるから、作り方を教えてもらったんだ。
風子ちゃんにあげたくて作ったもの。

だけど、もう間に合わないだろうな…

そう思って外に出た。

ピューッ

風が吹いて、何だか風子ちゃんに呼ばれたような気がしてハッとなった。

僕は風車を持って、急いで家を飛び出した。
「僕、風子ちゃんに会ってくる!」

お母さんは何も言わずに手を振った。