「あなたは一体、どれだけ私に恥をかかせるつもりなの!?」
ユリ子は思わず、受話器を耳から遠ざけた。
「ユリ子?聞いてるのユリ子!?」
離れているのによく聞こえる。
ユリ子は息を吸い込む。
そして、吐いた。
「一生、家になんて戻らないわ!」
ガチャン
「佐瀬さん・・・・・・」
水城は心配になって廊下まででていていた。
「ユリ子って呼んで」
「ユリ子ちゃん、」
「ユリ子!」
「ユリ子、」
「なにかしら?」
「いいの?そんなこといって」
「知らないっ!」
ユリ子は受話器に向かってアッカンベーをした。
水城はその様子をみて、三年前の自分を思い出した。
そう。まるで・・・・・・───

