蓮山だって、きっとお嬢様じゃなかったら話かけてこなかったのかな。
少し悲しい気分になる。
もしかしたら、今夜も泊まるって言ったら迷惑かもしれない。
そういえば、
椎名、うまくやったかしら。
家のことを思い出したら、椎名のことがよぎった。
続けて不安になる。
嘘がバレて、騒ぎになってなければいいけど。
―――どうすればもっと、信憑性が深まるかしら。
私が電話すれば・・・・・・?
もし、友だちに泊まっている証拠は?と、聞かれたら。
嘘は真実になることを、もっともっと、とユリ子の心に訴えるのだ。
じゃあ、友だちに頼んで電話すればいい。
友だちのお母様も協力していただけば・・・・・・そうすればきっと、お母様は信じる。
ユリ子は面白いことを思い付いた。
喧嘩してしまえば、あと1日くらい期限を伸ばすことも可能かもしれない。
でも誰に頼む?
水城の笑顔がぼんやりと浮かぶ。
あの日から、何回か話しかけてくれた。

