お嬢様に生まれたユリ子は友だちも選べなかった。
両親に友だちを紹介すると、なにかしら調べあげる。
出生について、家柄について。
そして、「もう、その人には近づくな」と言われる。
ユリ子はそれから、周りからも距離をおかれる存在になった。
あるとき、両親に内緒で仲良くなった人がいた。
そして、
「調子に乗ってんじゃねーよ」
喧嘩して言われた。
とても、些細なことだったと思う。
「私は別にあんたと友だちになりたい訳じゃない。親が仲良くしておいた方がいいっていったからだよ!」
そして、ユリ子も一線を置くようになった。