変に思われたかな。 ユリ子はバイクに乗り込むと、昨日のことを思い出してしまった。 鮮明に蘇る、触れるだけのキスの感覚。 そして、急に意識して蓮山に触れることを恐れた。 触れたらきっとバレちゃう。 ユリ子は蓮山の背中をながめて、それからピアスをみた。 十字架。 サザンクロス。 風に揺られ、太陽の光が反射し、キラキラと光る。 信じられる奴。 ユリ子は蓮山の言葉を思い返す。