「女の子がいるってやっぱり違うよな〜。しかもユリ子ちゃん、そこら辺の女子とは違って可愛いし。覗いちゃおうかな〜」
「・・・・・・やめろ」
ユリ子の姿が見えなくなるとこれだ。
弘人がユリ子をそんな対象でみていると思うと腹が立つ。
蓮山がそんな想いで弘人をみているとは気づかず、弘人はニヤニヤと笑った。
「恭介、本当に手だしてないのか?」
「お前なぁ・・・・・・」
蓮山は弘人をにらむ。
「冗談だよ、アハハ」
蓮山の迫力に負けて、弘人は汗が流れた。
「ごめんなさい。お待たせしちゃった」
振り返ると、ユリ子の姿をみて息を飲んだ。
顔がコンパクトでシャツもアイロン掛けしたようにビシッとみえる。
「な、なんかへんかな?」
ふたりとも思わず見入ってしまい反応が薄く、ユリ子はなにかと想い、自分の身なりを確かめた。
「いやいや。ユリ子ちゃんの制服姿いい!」
「そ、そう?ありがとう」
蓮山は弘人の言葉に、ちょっぴり照れたユリ子の反応が気に入らなかった。
「そろそろ時間だぞ」
「え?ああ、ホントだ」
「弘人、先いってて」
「・・・・・・へーい」
蓮山は言葉ではそう言ったが目では「先に行け」といっていた。
「どうしたの?」
ユリ子が話しはじめても蓮山はすぐに返事をしない。
弘人が完全に出て行ったことを確認してから、口を開いた。

