お嬢様とヤンキー



「で、俺たちは今から朝礼にいくけど、どうする?」
弘人がノリノリでユリ子に聞いた。




ユリ子は気まずそうに、蓮山を一瞥する。

「私、・・・・・・学校へ行きます」


「え?それって・・・・・・」

帰るってことか?

蓮山は弘人がいるから言い出して、途中で止めた。



「今日は学校へ行かないと。一応、お友だちのお家へ泊まっていることになっていますから」


「ふーん。友だちも心配するもんな」

渋々納得しつつ弘人が口をまげた。


「そう、ですね」

ユリ子が暗い顔をしたのを、蓮山は見逃さなかった。



「じゃあ、今日は俺たちも学生らしく学校へ行きますか!ユリ子ちゃんを送っていくとなると、ちょっと・・・・・・っていうかだいぶ早く着いちゃうけどしょうがないよね」


「学校開いてるから大丈夫です!」

ユリ子はバイクに乗れると知って笑顔が戻る。

カバンと制服を腕に抱え込むと、脱衣所へ入っていった。