チーン
「できた」
そこらへんにあるタオルで、熱々の皿を取りだしテーブルに並べる。
手際のよさにふたりは感心している。
特にユリ子。
「すごい!蓮山さんの手は魔法の手みたい」
ユリ子は蓮山の手を包むように握った。
「あ、ありがと」
「ぶっ!あはははっ」
弘人は転がって笑う。
「お前、笑いすぎ」
そんな蓮山は照れている。
「わ、私変なこと言ったかしら?」
ユリ子は慌てた。
「ヒーヒー。いや、いいんだけどさ。ユリ子ちゃん、暴走族みてみたいんだろ?一緒いく?」
「おい、弘人っ!」
「なんだよ、いーじゃん。今日はキチンとした正式なケンカだから巻き込まれることはないだろ?」
「確かに、メンバーに選ばれた者同士の戦いだからそれ以外のギャラリーは安全だけど」
「じゃあ、よろしいの!?」
「まあ、いいんじゃねぇ?」
はしゃぐユリ子を手前に、蓮山は断れなかった。

