「私、この『赤いコンコンうどん』がいいですわ」
ユリ子の手にはすでにカップ麺が。
「「いやいやいや」」
「あら?」
ふたりの息がぴったりの突っ込みにユリ子は目を丸くする。
「朝ごはんには重すぎるよ」
弘人がお腹にいれたのを想像して顔をしかめた。
「じゃあ、他になにがございますの?」
「アレを使うんだよ」
蓮山の指差す場所には、電子レンジ。
「まあ!」
ユリ子は立ち上がって、電子レンジを手で触っている。
「まるではじめてみるような反応だな」
「家にあるのと違うから」
弘人が笑うと、ユリ子は苦笑いで交わした。
「・・・・・・はじめての癖に」
蓮山はふたりに聞こえないように呟く。
食パンをトースターにかけた。
それから、
小さい冷蔵庫からたまごをみっつ、ベーコンを三枚。
食器にそれぞれバランスよくおいて、レンジにかける。

