そのあと、弘人の説明を聞いた後、すぐに寝た。
弘人は大騒ぎして、蓮山がそれをクールにかわしたり突っ込んだりして。
ユリ子はその度に笑った。
心の底から笑っていて、それはもう大笑いだったのに、品と言うものを失わない。
蓮山は改めて、
ユリ子の体に染み付いた品のよさは、本物なんだと痛感した。
隙がない美しさを彼女は持っている。
だから目が離せなかった。
きっと、彼女を好きなんだと思う。
朝、まだ暗い時間に目が覚める。
眠れそうにないので、上半身を起こす。
月と太陽が勤務交代を眺める蓮山の体勢は、弘人とユリ子に背を向けることになる。
蓮山はあのとき弘人が家を訪ねてくれて正直助かった。
そう、思っていた。
でなければ、きっと・・・・・・キスしてたと思う。
「蓮山さん?」