「いい、の?」
ユリ子にとって、願ってもいない誘いだった。
でも、と、ユリ子は蓮山の家族を考えた。
「ただし、俺んち一人暮らしだから」
「え?」
───相手は男なんですよ?
ふと、椎名のセリフがユリ子の頭によぎる。
不安が生まれる。
けど、ユリ子はもう後戻りできない。
「どうする?」
蓮山とあと3日間、人生最後の楽しみかもしれないから。
「覚悟は、できてます」
ユリ子は決心して言った。
「ぷっ。なに?硬くなっちゃって」
「もうっ!なんでそうやって雰囲気を壊すのかしら」
「だってー。ユリ子ちゃんかーわーいーいー」
「男のひとと一晩をともにするってことは、それなりの覚悟が必要かなって・・・・・・」
ユリ子が恥ずかしそうに言うと、
蓮山は真面目な顔を作って言った。
「ごめん。俺、幼児体型に興味ないから」

