お嬢様とヤンキー



「恭介・・・・・・お前、お腹じゃなくて頭おかしくなったんじゃね?」


「切るぞ」


「わっ、ちょっと待てって!」


「なに?」

蓮山は冷たく言っているが顔は笑っている。

弘人の慌てた姿もすぐに浮かぶ。


「総長がどうしても来いって。シバかれんの俺なんだよ、頼む!」

「頼むって言われてもなぁ・・・・・・」

チラリとユリ子をみると、ライタを手に取っているところだった。


あいつ、ライタ使ったことないのに。

心配になった。


でも、こうやって心配されて育ってきたんだよな、お嬢様って。

少しぐらい火傷しても、いい経験だろうな。


「・・・・・・」

見てらんねぇ。

でも、ガマンだガマン。

蓮山はユリ子に背をむけた。







「北の奴ら、ちょっと遅れるらしいんだ。今からかっ飛ばせばなんとかなるだろ?」

どうやら、弘人は蓮山をどうしても来させろと指示されたらしい。


しかし、ユリ子を連れて行くわけにはいかない。


「南北戦争には出るからさ。南だって北が戦力落ちて調度いいんじゃねぇか?」




最近、南は北に負け続けていた。


この地域には、

白馬台を南北にわけて、ふたつの暴走族がある。