「バカバカうっせぇなあ。とにかく今日は休む。腹いてぇ」
ふたりは小、中、高一緒だか、蓮山は中学校まで弘人の存在をしらなかった。
弘人の話だと、蓮山に話かけたことは何度かあるらしいが蓮山は覚えていない。
───ただ、あの日のことは覚えている。
弘人が誘ってくれたのをきっかけにふたりは友だちになった。
次の日、暴走族へ入団した。
「嘘だ」
「バレたか」
「・・・・・・女か?」
また間があいた。
「そうだけど、ちょっと違うかな」
「なんだよ、それ。紹介しろってお願いしたのに自分だけ」
そう。
弘人にお願いされてたんだっけ。
お嬢様がいいって言ってたから話しかけてみたってのもあるんだよな。
けど、ユリ子のことを教えたくない。
蓮山のどこかにそんな感情が芽生えた。
「なあ、弘人。
恋、したことあるか?」

