お嬢様とヤンキー



パチパチと音をたてる花火。

目に焼きつく光。



ユリ子が口を開く。

「佐瀬ユリ子」

「え?」

「それが私の名前。自己紹介、まだだったでしょう?」


「あはは。そうだった。ユリってゲームで知ったんだったね」

「うん。だから、ユリって呼ばれたときびっくりしちゃった」


蓮山はどこか上の空。



そして、先ほどからユリ子の目につく蓮山の行動。


ほら、また。


ケータイをポケットから取り出しては、確認して、仕舞う。



誰だろう。

気になる。



彼女かな?



想像したら胸がぎゅーって苦しくなった。