「案外、生徒じゃないのに制服でわかるもんなんだな。黒色ってとこはウチと一緒なのに」
近くのコンビニに立ち寄って、蓮山は自分のカバンをユリ子に渡した。
「なんですか?コレ・・・・・・」
「この中に俺のジャージ入ってるから着替えて」
「それは困ります!」
「着替えないと困るのはそっちだぞ。桃ノ華学園なんて有名お嬢様学校の制服きてたらいつ補導されてもおかしくない」
蓮山が一気にまくし立てると、ユリ子も黙っていなかった。
「あなただって制服じゃないの」
「ウチは定時制もあるから言い訳がきくの!お前のガッコ、普通科だけだろ?」
「国際英語科もあるわ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「なにがあったか知らないけどさ、家に帰りたくないんだろ?」
蓮山はクシャクシャと頭を掻いた。
コクンと、ユリ子は顔を縦に振った。
「じゃあ、着替えてこい」
蓮山はカバンを押し付け、ユリ子をトイレへと誘導した。

