お嬢様とヤンキー


格ゲーと略されたゲーム。
格闘ゲーム。

それが蓮山が好きだと言うゲームだ。



蓮山はユリ子が退屈しないように、説明をしながら操作した。


ユリ子はときどき理解に苦しい説明に苦笑いしてごまかす。

蓮山のネームは【kyou】。

kyouは連勝した。

「凄ぉ~い!」

winという表示にユリ子は歓声をあげる。

そんな声に蓮山は口を渋くしてこたえる。

「対戦相手がCP(コンピュータ)だから」

「・・・・・・」

すごくない、といっているのかしら?ユリ子は勝ったのに喜ばない蓮山を理解できなかった。





それにしても、

蓮山の手さばきに感心する。

蓮山はマッチョでないけれど、それなりについている筋肉。

すこし広い肩幅に、魅せる細い指は繊細で、ユリ子はドキドキした。




惹き付けられる思いで、蓮山をみていると、蓮山の視線がユリ子の方へ急に向かう。