式は大盛り上がりで、ふたりだけ別の場所にいる。 そんな感覚だった。 終盤に差し掛かると、盛り上がりは絶好調に達す。 司会者に寄って、出場メンバーの名前が次々にあげられていく。 蓮山の名前もあがり、一目置かれ、すぐに中央に徴集された。 「ねぇ、椎名。私やっぱり、帰りたくない」 困らせてしまうのはわかってる。 でも、気持ちがとまらないよ。 返事がない。 「・・・・・・椎名?」 「今回、初出場の弘人ー!」