びっくりした。 手、おっきかったな。 ユリ子は蓮山をみた。 蓮山はまっすぐ、前をみている。 手が、震えてる? ―――ずっと出たかったんだ。バイク戦。 念願だったバイク戦。 ユリ子にはわからない。 でも、どれだけすごいことかは伝わってきた。 手が震えるくらい、緊張、してる。 ユリ子は思いきって蓮山の手を握りしめた。 蓮山は驚いて、ユリ子を一度振り替える。 再び前を向いた。 「ゴールで待ってます」 ユリ子の手に蓮山の力が加わる。