ブゥォオオオ・・・・・・
後ろに乗せたユリ子はずっと黙ったまんま。
蓮山も自然と無言で、
意識は朝の集会へと引き戻される。
新人は満場一致で陵(りょう)に決まり。
次のタイマンの発表のときだ。
場がどよめいた。
「弘人がメンバーに選ばれたぞ」
「恭介は?恭介を外した?」
そんな会話が周りから聞こえたが、当の本人も相当驚いている。
「続いて、バイクの発表―――」
蓮山の名前が呼ばれたとき、集会のざわめきがピークに達した。
総長が中心の輪から少し離れたところで聞いていた蓮山と弘人。
そこには総長へ届かないことをいいことに愚痴る声も聞こえた。
「勝つためにはなんでもありかよ」
「新人で一勝、バイクで二勝目。タイマン負ける覚悟だな」
「弘人も可愛そうだよな。補欠(負け要員)だなんて」