お嬢様とヤンキー






昼の暑さもどこえやら。

風が心地よい。

橙色の夕焼けが一望できるこの場所。




椎名と何度か訪れた秘密の場所。



ユリ子が辛いとき悲しいとき、いつも察してここに連れてきてくれた。



街で一番大きな公園にユリ子は来ていた。

緩やかな山を崩してできたこの公園は段々になっている。



ユリ子はその頂上で、ちょっとした夕焼け空を楽しんでいた。

今日はピンク色とオレンジのマーブル。





「そろそろ行かなくちゃ」


時計を持ってないからわからない。

ケータイ買ってもらおう。
そして、百理ちゃんとおそろいのストラップをつけるんだ。


ユリ子は意気込みを夕焼け空にする。




その時だ。