「やりますね」
蓮山はにっこりと微笑んだ。
「ええ、まあ。鍛えてますから」
椎名は乱れたシャツを整えた。
「ユリ子さんが来ない理由はありません」
「どうして?」
「秘密です」
「・・・・・・」
椎名は蓮山の答えが気に入らない。
「ユリ子さんが、学校の放課後、どこにいくか心当たりはありませんか?」
蓮山はバイクのボディをなぞる。
「ひとつだけ」
「じゃあ、そこに連れていってください」
「本当に、お嬢様は無事なんですね?」
椎名の真剣な瞳をみて、蓮山は確信した。
「あなた、ユリ子さんのこと好きでしょう?」

