椎名がにらんだ通り、ある場所に滞っている。
時計を何度か確認する仕草。
15時半をすぎているから、16時集合か。
すると、同じ制服をきた男子生徒がひとりあらわれた。
図体はでかく、一見、顔つきが悪いと思ったが、表情はわりと感じがいい少年だ。
三人でどこへ向かうというのだろう。
それにしても、彼はひと味違う。
彼のみのこなしには、他の人にない何かがある。
椎名は蓮山から感じる何かが何なのかわからない。
ただ、わかることは―――
お嬢様が好きになった方。
「お嬢様は見る目がありますね」
僕からみてもいい男です。

