道連れにされたユリ子。

ヤンキーに引っ張られ歩道へ飛び出た。

非合法。
もちろん、運賃未払い。



「君たち!」
運転手の声だ。


「あの、私は違っ」

否定しようとしたけど無理だった。

からだがふわりと宙に浮く。



お姫様だっこ。



「ずらかるゼ」

そのままダッシュ。



「からないで〜〜〜」


旅は道連れって言うけど。
たしかに2、3日は帰りたくないけど。






人ひとり抱えているとは思えないくらいの速さだ。


角を曲がると突然、ヤンキーは手をはなした。



「きゃんっ」