そして、あたし達はやっとぐっすり眠った。
目を覚ますと、恭平の姿がどこにもなかった。
あたしは、まだ寝ている母さんをよそに、新生児室に走って行った。
案の定、恭平は車椅子に座ったまま、窓に張り付いて、自分の赤ちゃんを眺めていた。
「恭平」
あたしは、恭平の隣に並ぶ。
「どの子か分かる?」
意地悪く質問してみる。
「手前の子だろ?」
「何で分かるの?」
あたしはチェッと舌打ちする。
「ベッドのとこに、及川ベビーって書いてあるだろ」
ホントだ。
気がつかなかった。
「まだ、サルみたいだけど可愛いよね」
両腕を自分の頭の方に向けて寝ている赤ちゃんを見てほのぼのとした。
あたしもあんな時期があったんだなぁ。
「お前もあんな時期があったんだろぉな」
クスッ。
あたしが笑う。
「なに?」
恭平があたしを見る。
「今、同じこと考えたから」
「そっか。抱かせてもらうか」
「いいの?」
「俺達の子だぞ、ダメなわけねーだろ」
「正確には恭平の子だけどね」
「なに言ってんだよ。俺とお前の子供だろ。今日からお前、こいつらの母親なんだぞ」
「自信ないよ」
「初めは皆そうだって」
「そうじゃなくて、あたしがお腹痛めて産んだわけじゃないじゃない?恭平にばかり大変な思いさせてさ」
「昨日の夜、お前何してた?」
「部屋にいたよ」
「寝てた?」
「まさか、恭平が頑張ってるのに寝れるわけないじゃん」
「そーだと思った。それだけで充分だよ。俺も頑張ったけど、樹理だって頑張ったんだ、同じ苦しみを味わったんだ、それでいーだろ」
「うん。ありがと、恭平」
そして、若月先生に頼んで赤ちゃんを抱かせてもらった。
「どうですか?母親として抱いた感想は」
「落としちゃいそうで怖いよ……でも、頑張ってこの子達の母親になる」
交互に抱かせてもらって、あたし達は満足して部屋に帰った。
目を覚ますと、恭平の姿がどこにもなかった。
あたしは、まだ寝ている母さんをよそに、新生児室に走って行った。
案の定、恭平は車椅子に座ったまま、窓に張り付いて、自分の赤ちゃんを眺めていた。
「恭平」
あたしは、恭平の隣に並ぶ。
「どの子か分かる?」
意地悪く質問してみる。
「手前の子だろ?」
「何で分かるの?」
あたしはチェッと舌打ちする。
「ベッドのとこに、及川ベビーって書いてあるだろ」
ホントだ。
気がつかなかった。
「まだ、サルみたいだけど可愛いよね」
両腕を自分の頭の方に向けて寝ている赤ちゃんを見てほのぼのとした。
あたしもあんな時期があったんだなぁ。
「お前もあんな時期があったんだろぉな」
クスッ。
あたしが笑う。
「なに?」
恭平があたしを見る。
「今、同じこと考えたから」
「そっか。抱かせてもらうか」
「いいの?」
「俺達の子だぞ、ダメなわけねーだろ」
「正確には恭平の子だけどね」
「なに言ってんだよ。俺とお前の子供だろ。今日からお前、こいつらの母親なんだぞ」
「自信ないよ」
「初めは皆そうだって」
「そうじゃなくて、あたしがお腹痛めて産んだわけじゃないじゃない?恭平にばかり大変な思いさせてさ」
「昨日の夜、お前何してた?」
「部屋にいたよ」
「寝てた?」
「まさか、恭平が頑張ってるのに寝れるわけないじゃん」
「そーだと思った。それだけで充分だよ。俺も頑張ったけど、樹理だって頑張ったんだ、同じ苦しみを味わったんだ、それでいーだろ」
「うん。ありがと、恭平」
そして、若月先生に頼んで赤ちゃんを抱かせてもらった。
「どうですか?母親として抱いた感想は」
「落としちゃいそうで怖いよ……でも、頑張ってこの子達の母親になる」
交互に抱かせてもらって、あたし達は満足して部屋に帰った。

