私は、あなたには釣り合わない。

 
私みたいな子供・・・・やめといた方がいい。


そう思ってしまう。



「先輩、着きましたよ」


「ん・・・?あ」


「降りましょう」



いつの間にか電車は駅に着き


プシューーーッという音と共にドアが開く。


私たちは降りた。


水志摩・・・・。


橘君の地元。


私が住んでいるところよりも田舎だった。


海岸からの風が気持ちいい、住みやすい場所。



「こっちだよ、先輩」


「えッ・・・」



駅を出て、道を渡る。


橘君が私の手を握り、進んだ先は、林。


防砂林だろう。そこをずっと進んでいく。



「先輩、目瞑って」


「ん・・・」



私は言われるがまま、目を瞑った。


そして、手が繋がったまま、目を閉じたまま、橘君がゆっくりと歩みを止めた。



「ここですよ」