「行くって・・・」


「大丈夫♪僕が責任持って学校には間に合わせるから」


「・・・そう・・・」



私たちは靴を履き、家を出た。


しばらくして、いつも学校への交通手段で通っている駅に着く。



「学校とは反対の方向に行くんだ。僕ン家の近くなんですが♪」


「何かあるの?」


「感動・・・しちゃうかも♪」



感動・・・・?


橘君の笑顔は輝いていた。


私が思うより、ずっと。


橘君が「羨ましい」と思う私は


どうすればいいのかな・・・・?


そして電車に乗り、目的地に向かった。



「水志摩駅で降ります。あと3駅分くらい」


「みず・・・しま・・・」


「僕の地元です♪ちなみに、これから行くところは地元のダチも数人しか知らない隠れ絶景ポイントです」


「・・・・そっか・・・」


「・・・元気・・・ないですね?」



そう言って、私の手を握った。


強く、でも心地よい、彼の手が


私を悲しくさせる。