10分後。



「そろそろ・・・」


「先輩ッ!!!!」



そう言われ、振り向こうとした瞬間に・・・。


ガバッ・・・・



「わぁっ!!!」


「お待たせッ♪」



後ろから抱きしめられた。


ものすごい笑顔で。


瞬殺される私。



「覚悟・・・できました?」


「へッ・・・あ・・・」



忘れようとしていたことを掘り起こされ、


顔が再度、真っ赤に。


自分の体温が上がるのが分かるッ・・・。


ニコッて笑った彼は、抱きしめていた腕をゆるめ、


手を繋いできた。



「覚悟、できてないみたいですね(笑)今日はこれで帰りましょ?」


「・・・・あ・・・うん」



彼の手は私の手より大きかった。


図体だけでなく、年齢も私より下だけど


彼の手は、私を包み込んでくれるくらい大きく感じた。