「歌乃・・・」


「はい?」



お父さんが口を開いた。



「お前の恋愛にどうこう言うつもりはない。お前は若いといえど、もう大人だ。自分で、人生のパートナーを見つけることぐらい出来るだろう?」



人生のパートナー・・・



澄斗の視線を感じる。



「澄斗ととの将来には、少し不安があるの・・・」


「歌乃?!」


「彼は、会社の社長をしているの。それも、一流企業と肩を並べる程大きい会社。だから・・・」



それを聞いて、澄斗は少し悲しそうな表情をした。



ごめんね。



面と向かっては言いづらくて・・・



「それは、何とでもなることよ。」


「え?」



お母さんはニッコリ笑っていた。



「頑張り屋のあなたのことだもの。きっと、彼のことを支えようと思って努力するはず。それでも辛くなったら、それは澄斗さん、あなたが歌乃をしっかり見てあげていない時よ。」


「はい。」


「あなたが、どうしても将来歌乃と結婚したいのならば、私達の前に、歌乃の不安を取り除き、一緒に生きていくと言わせなきゃね。」



お母さん・・・・・・・



お母さんは口元は微笑んでいたけど、目は真剣だった。



「は、はい!」



それは澄斗にも分かったらしく、力強く返事をした。