あたしの名前は矢野川歌乃。


ホテルでベルガールをしているの。



そして彼の名前は桐生澄人。


仕事は、普通のサラリーマンて言ってる。



でも、詳しくは何も教えてくれない。



別にこれだけを聞いたら、疑いなんて何もないって思うよね。



じゃぁまず、あたし達の馴れ初めを話します。



実は出会いはうちのホテルでした。



あたしが仕事をしてるホテルに彼がお客さまとして入ってきたの。



それで、彼に話し掛けられて電話番号が書かれたメモを渡されたの。



『良かったら、かけてくれないかな？』


『は、はあ･･････？』




顔もカッコいいしタイプだったけど、最初は戸惑った。



しかもお客様だし、何か万が一失礼なことを言ったらホテルの名に傷がつくんじゃないかとか



色々考えてしまった。



だから、最初は電話なんて出来なかった。




でも、数日してまた彼が泊まりに来たの。



今度は美人さんと一緒に。



親しい仲なのか、エレベータの中では笑いながら話していた。



なんだ、彼女いるじゃない。



遊ばれなくて良かった。




だけど、仕事とプライベートはわきまえてるのかな？部屋を別にしている。



あたしは鍵が二つあるためそう思った。



そして二人を部屋まで送り届けて



『それでは失礼いたします。』



と部屋を去り、エレベータに乗ろうとした時に、あの美人さんに引き止められた。