〜♪〜〜♪〜〜♪


「ん?・・・歌乃?」



携帯を開くと歌乃から電話だった。



「もしもし。どうした?」


[・・・・あのね。さっきどうしたのかなって思って・・・]



さっき────?



[ほら、キスした後に何か考え事してたでしょ?]


「あぁ、別になんでもないよ。」


[ん。そう?なら、いいんだけど。]



嘘。


本当はこのまま家に連れ帰りたいと思った。


朝までお前を抱き締めたいと思った。




いつもお前を送った後の、空いた助手席が俺を淋しくさせるんだ・・・・




「可愛い彼女を持つと、大変だなって思っただけだよ。」




結婚はまだ早い。


だからせめて、同棲とか



そんなことを最近考えるようになった。



互いにさようならって言わない距離に居られたらって思うんだ。



[もう!はぐらかさないでよ!!]


「歌乃・・・・・・」


[ずっと澄人のこと見てるんだよ。"思ってることをあたしに言えないんだ"って、いくらあたしがバカだって分かるんだからね!]



「・・・・・・・・・・・・」



[澄人?]


「あぁ・・・・・・・・・・」




俺は、お前が淋しかったこともそれを知られたくないと思ってたことも気付けなかった。



だけど、お前には俺の考えてることなんか見透かされてるんだな。