「だけど・・・・・・」



どうして、一社員の澄人にそんな権限があるんだろう?



「俺が大丈夫って言ってるんだから、大丈夫。」


「そうですよ。歌乃さんはし・・・彼のことだけを見ていてあげてください。」



「そうそう。」



「会社にいる時だって、ずっと歌乃さんの写真を見て溜め息を吐いてたぐらいですからね。」



えっ/////



「おい!!それは言わなくていいんだよ。」


「あらぁ、それは失礼いたしました。」


「早くお前は出ていけ。」


「はーい。」




そう言って、美人さんは部屋から出ていった。




あたしは恥ずかしくて再び窓を見ていた。




「なぁ、歌乃。」


「な、なに?」


「もう一度、最初から、恋人やり直せないかな?」


「・・・・・・・・」



恋人に?



「俺にはお前だけなんだ。これから先もずっと。絶対にお前に淋しい思いはさせないし、1人で泣かせない。」



本当に?信じていいの?
今度こそ?



澄人と恋ができる?



「・・・・・・っ・・・・・・ふっ・・・・・」



あたしは声を押し殺して泣いた。



そして振り返って澄人に抱きついて、何度も何度も



彼の胸で頷いた。












「ありがとう、歌乃・・・すっげー愛してるよ。」