現代アリス∞

「アリス!」

ヒカルは私の名前を呼びこちらへと走って来た。
私もそれに答えようと必死で猫達を押したが猫達はびくともせず私とヒカルの間に立った。

「アリスをどうする気だっ」

ヒカルは猫達をキッと睨んだ。
だが猫達は少しの同様もしない。
シロネコは無表情でクロネコは冷めた目でヒカルをみている。
しばらく猫とヒカルは睨み合っていたが突然クロネコがしらけたように私とヒカルの間から抜け出した。

「クロネコ」

シロネコはクロネコを無表情のまま呼びつけた。
クロネコは凄く面倒臭そうな表情をして私達の方を向いた。

「…だからウサギは嫌いなんだ」

ふわあと欠伸一つ
意味の解らない台詞をはいた後クロネコは大きく伸びをした。
シロネコはそんなクロネコを横目に再びヒカルの方へ向き直る。

心なしシロネコが私を庇って立つかのように見えた。

一体何から?


根拠のない思い込みかもしれないけど、シロネコは私を傷つけようとしているわけでは無く私を守ろうとしているのかもしれない。
何から守ろうとしているのかはさっぱり解らないけど、何と無くそんな気がした。

考えすぎかしら


私がそんな事で無意味に頭を働かせている間にもヒカルとシロネコの睨めっこは地味にヒートアップしていた。
無表情だったシロネコの表情は今だ無表情のままではあるが滲み出るオーラに黒いものがあるようなきがする。
気がするだけかもしれないけど…

クロネコが睨めっこから離脱しくれているだけまだ今は平和なのかもしれない。
クロネコの言動から彼の気性の荒さが伺える。
もし参戦していたなら睨めっこから一転戦闘開始していたことだろう。

本気でよかった

…て、私は何例え話で今の状況を正当化しているのかしら。
今私の身に起きている事が余りにも現実離れし過ぎていて現実味がないから…ついつい色々な面で現実逃避してしまう。
いや、今現実逃避するのは流石にやばいだろうか。
さあ、どうする?
多分…このシロネコとクロネコとか言う人はそう悪い人達でもないだろう。

でも
このまま睨み合いが続けば…

そのうちシロネコかクロネコ、どちらかが痺れを切らしてヒカルを危険な目に合わせる事になるかもしれない。