現代アリス∞

「あんた達・・・誰?」

そこには黒いローブを頭から被った少年(声低いしね)が二人
隣り合わせになって立っていた。
こんな時間に何をしているのだろう?
なんにしても、不審な人物には違いない

今は夜中
先生も生徒もいない
おまけに一緒に来ていたヒカルはまだ校舎のどこかで彷徨っていることだろう。

えぇ・・・と、こう言うのをなんて言うんだっけ。
んー・・・
あ、そうだ『絶対絶命』!

・・・て

んなこと言ってる場合か

そうだ、見なかったことにして帰ろう。
うん、それがいい
もしかしたら、ヒカルももお帰ったかもしれないしね

私は回れ右してもと来た道を帰ろうとした

「どこへ・・・」

さっきとはまた違う低い声が私を呼ぶ

「な・・・なにかご用でしょうか?」

恐る恐る、私は振り向いた
少年二人は先ほどと変わらない配置で私のほうをじっと眺めている
・・・なんなんだろう
不吉な予感が胸を濁す
この人達に関わってはいけない!

本能が私にそう告げた

逃げなきゃ!!

私は全力で本館の扉のほうへ走る
扉の前に立った瞬間中から“ガチャ”と嫌な音が聞こえた

まさか・・・

案の定扉には鍵が掛かっており開ける事は出来ない
それでも何とかしなきゃ、とおもって何度も何度も扉に体当たりして押し破ろうと試みた。
でもやっぱり扉はびくともしない

どうしよう

後ろを振り返ると少年が一人私の方へ向かってきた

歩いてる・・・のかな?

その足取りは体の上下がまったく無く、まるで地面に足をつけず浮遊して進んでいるかのようにスムーズ
それがよりいっそう不気味さを増させた

「嫌だ・・・こっちにこないで・・・」

私は扉の前でしゃがみ込んだ
耳を塞いで目をつむった
こうしてれば何も見えないし何も聞こえない

そのはずだった・・・

「アリス・・・」

耳を塞いでいるはずなのに
その声は鮮明に脳に響き渡る

「そんな・・・」

自分の耳を疑う
確認に一度正面を見てみた

「・・・きゃっ!!」

先ほどの少年の一人が私のすぐ目の前にいる
もう一度目をつぶろうとしたが体が痺れて思うようにうごかない