ちょっとばかしポジティブな考え方をしてみたものの見事に撃沈。
絶対、神に誓ってそんな事はありえない
心からそう思った
そんな事はさておき・・・
これからどうしようか。
戻ればきっとまたあの変な生物に出くわす事になるだろう
・・・それは絶対に嫌だ
じゃあやっぱり先に進むしか無いのね
この先を進むと出口がある。
出口を出ればそこは裏庭だ
裏庭をさらに進むとそこには私とヒカルが目指していた旧校舎への入り口がある。
・・・そうだ!
ヒカルも私と同じ旧校舎を目指しているんだし、きっと中庭で待っていればじきヒカルも来るはず
そしたら一緒に帰ろう
なんか変なのいるし・・・夜の学校は危険だ。
また明るい時にヒカルと一緒にまた来よう
思案の挙句にやっと答えは見つかり私は中庭でヒカルを待つ事にした。コツンコツンと足音を不気味に響かせて私は中庭へと続く扉へ向かう。
そして鍵をガチャンと開けて扉を開く。
「やっと外だぁ~」
風がやたらと心地よかった
久々に外に出た
まさにそんな気分だ
さあて
どこでヒカルを待とう
とりあえず私は裏庭の真ん中にある小さな噴水へと腰を掛けた。
夜空に浮かぶ真ん丸い月がぼんやり赤みを帯びている
薄気味悪い
なんでこんな日に限って、と私は軽く舌打ちした。
きっと明日は雨だ
月が暈を被っていると次の日は雨が降るって誰かが言っていたような気がする。
もしかすると赤いのは例外なのかも知れないけど
はあー、と思いっきり息を吐いて伸びをした。
外か中かってだけでこんなにも開放感に違いがあるものだろうか?
中庭だって周りは校舎に囲まれてるからそんなに広さは無いのに。
少し違和感を感じた
この違和感はこれから起きる出来事の前触れ
その事に気が付くのはそう遠くない未来だった
「・・・アリス」
誰かの私を呼ぶ声がすぐ後ろから聞こえた
私はヒカルだと思い後ろに振り向く
きっとこの時の私の笑顔は今までに無いくらい輝いていただろう。
けど、その笑顔は一瞬にして崩れ去る
