「あ、愛ちゃんからだ」



「愛ちゃん?」



「うん、さっきアドレス交換したんだ」





そう言うとまた小さな子供のように私を見る。



可愛いんだけど、私何か変なこと言ったのかな?





「阿部くん?」



「その阿部って言うの止めない?

ひまわりの前では日向くんなのにさー

なんでオレの前だと阿部くんなわけ?」



「だ、だって許可もらって無いのに日向くんなんて失礼だと思って……」



「沙菜ちゃんはオレの彼女だろー?

日向って呼んで」



「うっ うんっ」



「よしっ じゃぁ帰ろー」





そう言って私の右手を引いて前を歩く。



右っ 右手っ



教室で愛ちゃんに引かれた手とは違う男のコの手。





「ひっ 日向くんっ」





離して、って言いたかったんだけど





「ん?」





って私の好きな笑顔でこっちを向くから、






「なんにも無い……」





って言うしか無かったんだ。



日向くんの笑顔はひまわりみたいで。



太陽みたいで。



日向くんの仕草の中で、その笑顔が1番好きです。