「日向ーッ!」



「んー?」



「なぁ日向聞けよ!
昨日コイツさー」



「なんだそりゃ(笑)」



「日向、日向!

今日小テストあるよね?

私勉強してないよ~」



「大丈夫! オレもしてねぇ!」





さっきから名前を連呼されてる日向とは阿部日向(アベ ヒナタ)くん。



私のクラスで人気の……ううん。



私の学校内でも有名な人。



いつも笑顔で、誰にでも優しくて、とてもいい人。



私とは全然次元の違う、そんな男のコ。



そんなこと言ってる私は、小林沙菜(コバヤシ サナ)。



日向くんと同じクラスです。



私みたいなのはなんていうの?



陰キャラ?



目立つ方じゃなくて、教室の隅にいるみたいな。



なかなかクラスに溶け込めなくて、クラスの端にいる空気みたいな感じ。



でも、そんな私にも話しかけてくれる日向くんに……





「あ、小林さんだー オハヨ!」



「あ、べくん、お…はようっ…ございます……」





朝から話しかけられてしまった!



か、顔ニヤけてないかな!?



わかってるの。



日向くんは優しいから挨拶とかしてくれてること。



わかってるけど……



そんな日向くんに、惹かれてしまったんだ。