「う、そだ」



「え。 なんで!?」





目を大きく見開いて私に近寄ってくる。



日向くんがこんなに驚くのなんて初めて見たかも…





「だって阿部くんが私のことを好きなんて、絶対嘘ー」



「どこが嘘?」



「阿部くんみたいにみんなに囲まれてる人が、私みたいな地味でなんの取り柄もないコ好きになるわけないもん!」



「小林さんっ」



「私を騙してるようにしか聞こえないよっ!」



「小林さんっ」



「だって、だって、だって…「沙菜ちゃん!」





さ、沙菜って……



名前……



「オレ、沙菜ちゃんのこと見てたよ?

ひまわりに対する優しさも、誰もやんないような雑用してたことも、

オレやクラスのコが話しかけたときに照れながら笑う顔も。

見てたよ。



全部、見てた。

だから地味でなんの取り柄もないなんて言うなよ」



「……っく……っ…」





そんなの見てくれてる人がいたなんて思わなかった。



私のことを見てくれてる人がいたなんて思わなかった。



日向くん、日向くん。





「……好き…です」





そう言うと日向くんはまたニッコリ笑ってくれたんだ。



ひまわりみたいに明るくて、元気で。



日向くんの笑顔はまるで太陽みたいで。



それはあたたかい……





ひだまり模様。