「ママなら買い忘れがあったって買いに行ったけど…」




そう言った途端、突然パパが立ち上がった。




「たく、あいつは…希美、愁吾、流依迎えに行ってくるから。」




「あ…うん…」




「あぁ…」




私とお兄ちゃんは着ていたスーツの上を羽織って再び家を出て行ったパパを呆然と見ていた。




「母さん、また親父に怒られるんじゃねぇか?」



お兄ちゃんの言葉に私はただ苦笑いで頷くしかできなかった。




ほんとにパパはママのこと好きなんだな…




それからパパとママは帰ってきて、勿論ママはパパに怒られていた。




「そういえば、希美の学校に俺のダチの息子が赴任して来るとかいってたな…」



パパの友達…?の息子…?



そういえば…




「保健室の先生…、あのね保健室の先生が産休に入るから、新しい若い男の先生が来るって噂があったんだよね…」